
日進月歩で進化する医学・医療。不治の病や癌といった病気に悩まされる人は増加していますが、近年では人間が本来持つ免疫機能を最大限に活性化させ、発症の原因となるウィルスや細胞を破壊する免疫細胞治療が注目を浴びています。今回は最も注目を浴びている特異的免疫や非特異的免疫についての実験結果と共に、非特定的免疫をご紹介いたします。
非特異的免疫とは?
非特異的免疫とは身体に入り込んだ外敵に反応し、真っ先に攻撃を仕掛ける免疫細胞のことをいいます。NK細胞(ナチュラル・キラー細胞)、顆粒球、樹状細胞、マクロファージといった免疫細胞を指します。特異的免疫はウィルスや細菌、悪性細胞を特定して、攻撃を仕掛けるのに対して、非特異的免疫は外敵を特定せず、どんな外敵に対しても無差別攻撃を仕掛ける特徴を持ちます。このうち、NK細胞はパーフォリンという物質を使って、癌細胞の膜を溶かし、グランザイムという酵素で癌細胞を破壊することで知られています。その他の免疫細胞も一酸化窒素や活性酸素を用いて、外敵を攻撃します。中にはこの非特異的免疫の攻撃を逃れるウィルスや癌細胞もあります。これらの逃れた外敵に追い討ちをかけるのが特異的免疫といわれるものです。この特異的免疫の特徴は外敵を特定し、その外敵に合った武器を装備して、攻撃を仕掛けるという特徴があります。この特異的免疫は非特異的免疫よりも強力な免疫機能を発揮すると確認されています。また、特異的免疫と非特異的免疫の両方の性質を持つスーパー免疫細胞、NKT細胞(ナチュラル・キラーT細胞)も存在します。
オキナワモズク由来フコイダンによる非特異的免疫の活性化効果について
近年の研究では昆布やワカメ由来のフコイダンを摂取することで、免疫機能を活性化に寄与することがわかっています。しかし、オキナワモズク由来フコイダンによる免疫機能活性化の報告が少なく、改めて検証が行なわれました。マウスによる実験は試験期間と摂取期間ともに6週間行なわれ、摂取後の免疫機能の変化について、観察しました。
実験結果について
6週間の試験期間を得て、マウスの免疫機能について、観察したところ、以下の研究結果がを得ることができました。
脾臓由来免疫細胞増殖
フコイダンを投与した全てのマウスにおいて、脾臓由来免疫細胞の増殖が確認されました。
この脾臓由来免疫細胞はB細胞、T細胞のことを指します。このB細胞とT細胞は骨髄で産出され、脾臓で成熟する特徴があります。そのため、B細胞とT細胞の増殖は免疫機能の強化と見てとります。
NK細胞活性
癌細胞や細菌を攻撃することで知られるNK細胞が活性化していることを確認しました。このNK細胞の活性化は抗源などに対する攻撃力の強化を意味します。
マクロファージ貪食作用の活性化
マクロファージ貪食作用とは体内に侵入したウィルスや細菌を丸ごと捕食する作用を意味します。このマクロファージ貪食作用はNK細胞やT細胞にどのようなウィルスかを伝達する役目を持ち、免疫機能において、欠かせない存在といえます。このマクロファージ貪食作用が活性化することはNK細胞やT細胞の後の活動に大きな影響を与えるため、免疫機能全体の活性化に寄与していることを意味します。
オキナワモズク由来のフコイダンによる特異的免疫向上について
今回のオキナワモズク由来フコイダンの研究結果は、初期の防衛機能である特異的免疫の活性化を確認しました。フコイダンを摂取することで、感染症の予防や癌細胞に変化した自己細胞の排除を促進する働きが期待できます。またオキナワモズク由来フコイダンは非特異的免疫機能を活性化させることも確認されており、活性化された非特異的免疫機能は特異的免疫機能よりも強力に活性化させます。